NISAなどを利用して投資信託を積み立てようと考えていると、「米国株がおすすめ」「全世界株式がおすすめ」などと言う情報に行きつくと思います。
確かに、今は米国株の利回りは恐ろしいほど高い水準で、米国株投資がブームになっていますね。
私が所有しているS&P500も、通常の株式の利回りは3~5%と言われる中、30%ほどになっています。
それでも、20年間の積み立て投資ができる「つみたてNISA」、子供の教育資金用の「ジュニアNISA」などの長期的な投資には、世界中に分散投資できる「全世界株式」を組み込むことがおすすめです。
「全世界株式」と一言に言っても、様々なファンドがあり、正直どれを選べばいいのか、どういう違いがあるのかよくわからないですよね。
と言うことで今回は、そんな全世界株式のおすすめの人気ファンド3選の比較と、それぞれの商品の詳細を紹介したいと思います。
この記事を読めば、全世界株式を取り扱うファンドそれぞれがどう違うのかがわかり、「なんとなく」ではなく、しっかり理解したうえで自分の考えにマッチする全世界株式を選ぶことができるようになるはずです。
積立NISA・ジュニアNISAには全世界株式がおすすめ
「全世界株式」は、読んで字のごとく、全世界の株式に分散投資する投資信託です。
ファンド(投資信託)それぞれに目標とするインデックス指数が設定されており、その指数に連動して運用されます。
現在ほとんどの全世界株式ファンドは、その半分以上の銘柄を世界経済を引っ張る米国株で構成されています。
だったら、米国株のファンドを購入してもいいんじゃないの?
現在だけを切り取れば、米国株だけに投資しているほうが高いリターンを得られる状態です。
但し、10年後、20年後、その先もずっと米国株一強の状況が続くかどうかは誰にもわかりません。
「2030世界の大変化を「水平思考」で展望する」の記事でも紹介したように、客観的なデータを読み解くと、今後の経済は、人口増加とテクノロジーによって、アジアとアフリカが消費の中心となり、経済発展を遂げると予想されています。
それも2030年という近い未来にです。
だったら、米国株だけに投資していても、10年後20年後は今のように高利回りじゃない可能性が高いってことね!
米国株しか買っていなかった場合、アジアやアフリカの株が成長し始めたとき、ジュニアNISAでは2024年以降はもう新規買い付けはできません。
つみたてNISAなら、自分で積立商品を変更する必要があります。
しかし、「全世界株式」のファンドを一つ持っていれば、ファンドの中でアジアやアフリカ株の割合を増やすなどして、自動的に成長している方向にリバランスしてくれます。
世界の成長に合わせて自動的に舵を取ってくれる「全世界株式」は、リスクの分散にもなり、自分で銘柄をチューニングする手間も省ける、長期ほったらかし投資には最適なファンドだと言えます。
私も、ジュニアNISAの新規買い付けは「全世界株式」にしています。
全世界株式インデックスファンドおすすめの銘柄3選比較
そんなおすすめの「全世界株式」ですが、全世界株を取り扱うインデックスファンドは本当に多くあり、
どれを選べばいいのか、、、、
と迷う方も多いと思います。
ここからは、信託手数料が低水準で、純資産額の多い人気の3ファンドを具体的に比較しながら紹介していきたいと思います。
その3つとは「SBI・全世界株式インデックス ファンド」「楽天・全世界株式インデックス ファンド」「eMAXIS Slim・全世界株式(オールカントリー)」です。
まずは、この3つの投資信託の概要を一覧で見てみましょう。
名称 | SBI・全世界株式インデックス ファンド | 楽天・全世界株式インデックス ファンド | eMAXIS Slim・全世界株式(オールカントリー) |
設定日 | 2017年12月6日 | 2017年9月29日 | 2018年10月31日 |
運用会社 | SBIアセットマネジメント | 楽天投信投資顧問 | 三菱UFJ国際 |
資産総額 | 418億円 | 1392億円 | 3457億円 |
信託報酬(税込) | 0.1102% | 0.212% | 0.1136% |
実質コスト | 0.13% | 0.24% | 0.173% |
トータルリターン(1年) | 48.48% | 48.17% | 47.92% |
トータルリターン(3年) | 17.7% | 17.81% | 18.24% |
インデックス指数 | FTSEグローバル・オールキャップインデックス(円換算ベース) | FTSEグローバル・オールキャップインデックス(円換算ベース) | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込・円換算ベース) |
銘柄数 | 約9000銘柄 | 約9000銘柄 | 約3000銘柄 |
特徴 | 小型株も含む広範囲 | 小型株も含む広範囲 | 大型株中心・安定 |
市場時価総額のカバー率 | 98% | 98% | 85% |
こうしてみると、SBI、楽天とeMAXIS Slimでは、そもそも対象としているインデックス指数が違うことも分かります。
但しどちらも時価総額の加重平均型株価指数となっています。
加重平均とは、単純な金額の平均値ではなく、それぞれのウェイトを加味して平均値を算出することです。
つまり、その時々によって、投資内容の内訳が変化していくこととなり、新しく出てきた企業、成長してきた新興国などの株が、自動的にバランスを取りながら組み込まれるということです。
この3つならどれを選んでも安心して、長期ほったらかし投資ができそうね!
ただし、それぞれ微妙に信託報酬額などのコストや、純資産額が異なるほか、大きくは投資対象の数や種類に大きく違いがあります。
このあたりの違いを認識し、自分の投資方針に合った「全世界株式」のファンドを選びたいですよね。
と言うことで、ここからはそれぞれの投資信託の特徴やおすすめポイントを解説していきます。
SBI・全世界株式インデックス ファンドのおすすめポイント
SBI・全世界株式インデックス ファンドは、全世界株式インデックスの中では最も信託報酬が安く、大変人気のあるファンドです。
目標とする指数は、FTSEグローバル・オールキャップインデックス(円換算ベース)です。
FTSEは「フッツィー」と発音し、FTSEインターナショナルはロンドンに拠点を置き、株価指数の算出や金融関連のデータを提供する企業です。
FTSEグローバル・オールキャップインデックス(円換算ベース)は、先進国・新興国約9000銘柄で、大型株から小型株まで世界中の時価総額の98%を網羅しています。
世界中の株式を手広くほぼ全部カバーできて、信託手数料が最安なのがSBIのおすすめポイントってことね!
楽天・全世界株式インデックス ファンドのおすすめポイント
3つの投資信託の中で最も古い2017年9月29日に設定された楽天・全世界株式インデックスファンドは、設定当初は楽天と米国バンガードが合同で「楽天・バンガードファンド」として運用していましたが、バンガードが日本から撤退したことから、現在は楽天投信投資顧問のみで運営されています。
設定当初は最も信託報酬が安かったということで、純資産1392億円と多くの資金が集まっているのも特徴です。
連動するインデックス指数は、SBIと同じFTSEグローバル・オールキャップインデックス(円換算ベース)として運用されています。
バンガードのトータル・ワールド・ストックETF(VT)を実質的な主要投資対象として運用をしているため、「楽天VT」とも呼ばれています。
eMAXIS Slim・全世界株式インデックス ファンドのおすすめポイント
3つの投資信託の中で最も新しく、最も純資産総額の多いのは人気シリーズeMAXIS Slimの全世界株式(オールカントリー)です。
他の2つと連動する指数が異なり、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込・円換算ベース)に連動して運用されています。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス という指数は、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル( MSCI )が算出している指数で、先進国24か国、新興国21か国、フロンティア国25か国の約70か国、構成銘柄数は約3,000社となり、時価総額上位85%をカバーしています。
要するに、主に大型株で構成されていて小型株を含まないという特徴があります。
※フロンティア国とは、発展途上国の中で、金融市場は存在しているものの、その市場規模が新興諸国よりも小さく、流動性が低い市場のことを指します。
大型株が中心の世界3000銘柄で構成されているので安定していて、 純資産総額も3457億円と最も多く、信託手数料も低水準なのが eMAXIS Slimの全世界株式(オールカントリー) のおすすめポイントです。
投資を初心者におすすめの本
全世界株式の人気3ファンドの比較と詳細を解説しました。
あなたにぴったりの「全世界株式」のファンドは見つかったでしょうか?
ここでは
- 投資信託とは何か
- インデックスファンドがどういう仕組みなのか
- 具体的な投資信託の購入方法など
までは解説しきれていません。
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